「スポーツチームが強くなるためには、選手だけでなく、様々な役割を担うメンバーが必要です。弊部の学生スタッフは、運営班、トレーナー班、栄養班、アナライジング班で構成されており、各専門分野からのサポート的役割に加え、チームをマネジメントする役割も求めています。
そのため、常にコーチと同じ視点で俯瞰的に考え、選手よりも先を見据えて行動することが求められています。学生スタッフの9割以上がアメフト競技経験のない女性ですが、コーチと同じレベルでチームを導くことを心がけ、日々努力しています。チームのあり方について何度も何度も議論を重ねていますが、それでもちょっとしたすれ違いで連携がうまくいかなくなることがあります。その要因に自分たちだけでは気づけない解決できないこともあります。現時点でも素晴らしいスタッフチームであり、監督の立場としていつも感心させられていますが、今よりもさらに良い連携ができ、チームが熟成していくきっかけを探していました。小野寺さんはそんな彼女たちの背中をそっと優しく良い角度から押してくれるだろうと、今回のワークショップをお願いしました」(国立大学法人電気通信大学大学院博士・共通教育部准教授/アメリカンフットボール部監督 大河原一憲様)
試合のシーズンが始まる前に、ワークショップを企画し、実施しました。
こういう取り組みがはじめてということでスタート時には緊張も見られましたが、いつもチームで活動しているだけありすぐに活発な場に変化しました。大河原監督は積極的にカメラマンを担っていただき、「みんなが自分で考えて自分で動く」場をがっちりホールドいただきました。
普段はなかなか交し合わない感情や表明したことがない意見を場に出すことには勇気が必要ですが、皆さんの協働関係により率直な感情や意見が飛び交う場になりました。
「どの声もチームを良くする気持ちからなんだ」
違いをまとめてしまわず、違いのままで対話を重ねることで、お互いの目的意識がすり合い、尊重し合う関係になっていきました。
「自分の役割にも意味があるし、相手の役割にも意味がある」
チームに対しての役割貢献を認め合い、リクエストを交わし合うことで、チームの成長と個々人の成長がリンクする様子が見られました。
先輩から後輩に役割が自然と引き継がれたり、リーダーを担う方が一歩踏み出して新たなスタイルに挑戦したり…ここからのシーズンに前を向き始めたチームに力強さを感じました。
設計時には“この手の取組”がはじめての皆さんでもなじみやすく、没頭しやすいように意識しました。
この場においては「どの声もいかされる」ことを念頭におき、出てきた声は丁寧に扱うことで更に次の声が出てくる循環をつくることに集中しました。また、概念のインプットも行い、これから自分たちで立ち止まって考える、振り返る枠組みをご提供しました。
昭和24年設立。武蔵野の緑溢れる東京都調布市にある国立大学。
「総合コミュニケーション科学」の創造と「Unique & Exciting Campus」の実現を目指している。
https://www.uec.ac.jp/