2015.12.22
最近、女性活躍推進を後押しするようなサービスや動きが増えてきていると実感しています。
そんな中、ふと目にしたのが、リクルートホールディングスが「2016年のトレンド予測」の
記者会発表会にて2016年のトレンドワードとして「育自休暇」を挙げたとの記事。
「育児休暇」の「児」が「自」になっているところがポイントで、育休をブランク期間にするのではなく、
ブラッシュアップ期間としてスキルアップをする方が増えているとのこと。
学びを提供する側としては、託児施設を無料で開放したり、育休中ママの学費免除をスタートし、
会社側も資格取得やスキルアップに対する制度を準備し、受講料を全額負担する制度の導入している。
女性側としては、育休中をどう過ごすか?の選択肢が広がるという実際的な効果や
活躍をサポートしてくれているという社会の流れを感じることができます。
一方で、企業側がこの流れに乗って育休中の学びサポートするような制度や施策を
闇雲に導入するのではなく、慎重に検討することが必要です。
制度や施策自体、会社側のメッセージになります。
制度や施策を導入した際、社員は「何を意図しているのか?」というメッセージを
自分のフィルターを通して微細に感じ取ります。
例えば、先ほどの育休中の学びをサポートする制度に関しては、
育休中はブランクの穴埋めとして会社に貢献するための学びをするべき、
育休明けにはブラッシュアップしてこなくてはいけない、
出産したとしても、緩めることなく前と同じようなスタイルで働き続けるべきだ、
と(受け手のフィルターによっては)メッセージを受け取る可能性があります。
そして、それは将来出産し育休を取る可能性がある若い女性社員、
就職活動中の学生に対しても同様に「会社としてこう考えている」を
伝えていることになります。
会社側としてこういうメッセージを伝えたいのであれば、勿論OKです。
つまり、制度や施策が持つメッセージに対しての影響力を理解した上で、
会社として何を大切にするのかを明確にして制度や施策を導入することが大切なのです。
一方で、施策や制度に込められたメッセージを社員側が受け取っていないケースもあります。
随分昔に導入された制度や施策は、何も説明がなく”既にあるもの”として運用されているだけ。
新たに制度や施策を導入せずとも、同じような意図の制度や施策があるのであれば、
面倒くさがらず、丁寧に意図を説明するか、もしくは、改めて考える機会を提供するだけでも
良いかもしれません。
いずれにせよ、新たに制度や施策が持つメッセージに対しての影響力を理解した上で、
会社としての意図を明確にして対応をどうすべきかを考える必要があると思います。