2015.12.9
人手不足が深刻化しています。今後、ますます深刻化していきます。
介護・保育業界、建築業界にとどまらず、人材不足問題に直面する業界は、どんどん広がっています。問題は、どんどん身近なものになってきています。
最近では「人手不足倒産」も増えていると聞きます。倒産件数全体の中での比率ははまだ少ないものの、そのパーセンテージが、確実に上がってきているそうです。
人手不足が進む中で、大きく期待される女性たち。その女性たちを惹き付け(→採用強化)、長く働いてもらうために(→定着率アップ)、各社が様々に、様々な、取り組みを導入しています。
こんなまとめサイトがあるのをご存知ですか?
中身を眺めながら色々思うところがあったので、今回はピンポイントで「女性にとって魅力的な制度・仕組み」を切り取って扱ってみようと思います。
さて、このサイトで紹介されている内容ですが、なるほど、ネイルやエステの無料・割引チケット提供に始まり、女子会やコンパの手当、失恋したら休暇が取れる制度まで、「これは確かに、喜ぶ女性は多い!」と、この私でさえ思う(私本人は、仕事内容が魅力的であることが何より大事な人間なのですが、、、)、魅力的な制度がいくつも紹介されています。
いくつかの企業は、女性の特性やその会社で働くことを選んだ女性たちの志向を非常に上手く捉え、施策の提供を通じて、新規事業・商品の創出、事業成長への接続を実現しています。
とはいっても、このサイトの内容を参考に、何か女性が喜びそうな施策をポンっと提供して効果が上がる(=定着率が上がる)か?というと、決してそうではないでしょう。(このサイトを自ら紹介しておきながら、、、です。)
ポイントは、
① 女性社員のニーズや志向にマッチした施策設計(ニーズマッチング)
② 会社の成長の方向性ともマッチした施策設計(ゴールセッティング)
です。
「女性が活躍する会社BEST100(日経WOMAN)」で、大躍進が注目されたセブン&アイ・ホールディングス(2013年は100位圏外、2014年7位、2015年2位)について紹介させてください。
大躍進の秘訣は、1つ目に「丁寧な課題把握」にあったそうです。女性社員とその上司70人へのインタビューを実施し、課題を「的確に」把握したことが、成功の鍵であり、ボタンの掛け違いなく、奏功性の高い施策を打てたということです。
2つ目は、施策を導入するにあたって、単に女性たちに寄り添ったものとして持ち込まず、「会社の期待や要望を盛り込でいく」こと。例えば、妊娠中・子育て中の女性社員のネットワーク「ママ’s コミュニティ(2週間に1回のランチタイム施策)については、“ママ達のグチや不満をぶつけあうコミュニティではない。もっと前向きなコミュニティであることを約束してほしい。そして、ここで得たことは職場の上司や同僚、夫にもどんどん発信し、周りを巻き込んでほしい。”と、導入の際に強く伝えてスタート。その後、このコミュニティは、商品モニタリングの場となり、商品開発の場となり、女性中心の店舗では業務プロセスの改善の実積にもつながっているそうです。
こういった「女性のための施策」は、簡単なようで、丁寧に設計・導入しないと、あっというまに形骸化し、周囲の不満を生み、組織がしらけてしまいます。
大切なのは、
ニーズマッチングとゴールセッティング
なのです。