コラム

働く母、団体立ち上げに挑戦する(後編)

2015.12.8

Q勉強会を開催する上で、苦労していることはありますか?

初期メンバー4名で勉強会を立ち上げ、非常に限定された条件で参加者を募集しているにもかかわらず、3回目の勉強会で会員は13名に増えました。情報収集力や事例数の面から、人数を増やしていきたい反面、私たちの勉強会は誰かが教えるのではなく、みんなで知恵を持ち寄って創り上げる場なので、そのあたりのスタンス合わせは人数が多くなるほど難しいですね。メンバーそれぞれのパーソナリティ次第で、どうしても“提供者”と“受容者”という二極化が生じます。各々に心地よい参加の形があると思うので、今後その辺りのことが不公平感につながっていかないように仕組みを考えなくちゃ、と思っています。

また悩ましいのは、この活動を広めていきたいとは思うものの、“障害”という性質上なかなかオープンに活動できないことです。オープンに活動することは、障害を公表することにつながります。本来、障害の表明は当事者自身の意志であるべきですが、その当事者はまだ幼い子供達です。世間的にも、安心してオープンにできる環境とは言えない風潮の中、保護者が活動に参加していることを隠したいと思うのも当然かもしれません。

一方で、親が隠すことで、子供達が自分自身の特性を「隠さなきゃいけないものなんだ」と捉えてしまわないように、十分な配慮が必要です。将来、子供たちが安心してASDを公表できる世の中になることを願っています。それにはまず、当事者の保護者や親戚から、理解を深めていくことではないでしょうか。

働く母、団体立ち上げに挑戦する(後編)

Q団体運営も加わって、今はどのように両立をしているのでしょうか?

子供たちが、保育園や小学校、はまっこ(横浜市の放課後の見守り事業)に行っている間と、深夜・早朝の寝ている間に仕事をしています。WEBメディアの記事を執筆する仕事は、元ネタが12時前にとどいて、16時入稿締め切りというスケジュールです。毎日締め切りに追われますが、午前中の時間は、ASD関連のセミナーに参加したり、3ヶ月に1回開催している勉強会に向けた資料を作ったり、家事、通院など、有効に使わせてもらっています。

そのほか、生活面・学業面で子供たちに必要な支援を考えて、ツールを作る時間なども必要なのですが、自宅にいる時間が長く移動時間がとても少ないので、何とかやりくりできています。自宅作業は、仕事中でも突然の雨で外干しした洗濯物を取り込めたり、宅配便をほぼ確実に受け取れるのも、些細なようで実はとても助かっている点だったりします。

Q今後のキャリアやビジョンについて、教えてください。

立ち上げた団体の活動を含め、発達障害関係のことをそのままキャリアにつなげられれば理想的ですね。自分が今エネルギーを注いでいることが社会貢献につながって、更に仕事にもつながればなぁと思っています。ライターとしては、ゆくゆくは、提供されたネタから記事を書くのではなく、取材して書き起こす仕事をメインにしていきたいです。これからもASDの勉強を続け、いずれ書籍を書けるくらいまで理解を深めたいですね。今後、ASDなどの発達障害に対する理解がもっと広がってオープンに話せる社会になるように、ほんの少しでも貢献していけたらと思っています。

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