コラム

落とし穴シリーズ② 啓蒙系

2016.1.6

そろそろこの段階は終わりになるのでしょうか?女性活躍推進施策といえば、誰かの講演、という段階。次に進めなければという強い思いから、ここはしっかりと落とし穴を明確にしておきたい分野です。

弊社も含め、女性活躍推進をテーマに様々なプレイヤー(サービス提供者)がひしめいています。しかしながら現場で提供されているサービスは、これまで講演に偏っていたのが実態です。それっぽい方を呼んで、「こうあるべき」「こうすべき」が語られる。それっぽい方が、「わたしの場合は」を繰り返す。
このような理想論やロールモデルは、企業の方向性を分かりやすくメッセージする手段としては一部有効でしょう。
ただ、理想論やロールモデルを聴いただけで終わってしまえば、聴いている側は、(反論はできないが)「わかってるけどどうしたらいいの?」「うちは(私は)事情が違うから」と引き気味になるしかない。実際に私がインタビューした際にもそんな声を多く聞いています。

inputをして感想文を書かせて場を終わらせることの恐ろしさ。狙った効果は実現できたのでしょうか?感想文からは本音は見えません。

聴いている側は、御社の社員です。同じ会社に勤め、経営理念に共感し、互いに尊敬し合っている。それでも個々人でみれば、置かれている環境、持っている価値観や信念、これからのライフビションはそれぞれ異なり、それ故に思考のプロセスや感じ方=thorough-putはばらつきます。

聴いている方に影響を与え、企業側がねらった変化=outputを生み出すために、受け止め方=thorough-putのボラティリティーを最小化する努力をすべきだと考えます。

まずは意志を持って、どんな対話を生み出したいのか、から考える。人は語ることで感覚を自分事化していきます。こんな問いで考えて欲しい、こんな対話を交わして欲しい、からデザインし、その対話の材料となるinputを検討する。
そしてその対話=thorough-putから、現場のアクション=outputにつなげる。

ゴールから発想してデザインしなければ、啓蒙系の投資は逆効果になるのです。

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