コラム

女性は管理職になりたがらない?

2015.9.2

先日、とあるセミナーで、
「女性の管理職登用を阻む一番の要因は、“女性が管理職になりたがらないこと”である」
という企業アンケート調査の結果が報告されました。

様々な企業からお話を伺っていても「女性本人の意欲に問題がある」というフレーズは確かによく耳にします。
若干、諦め気味のトーンで“本人に嫌だって言われちゃったらねぇ。。。”と。
今回は、この「女性が管理職になりたがらない問題」について取り扱ってみたいと思います。

これって、何なのでしょう?なぜ発生するのでしょう?

シンプルに考えれば、管理職になることで得られる何かが、失う何かよりも魅力的であれば、
人は前向きに検討するように思います。
得られる何かの魅力 > 失う何かの魅力 の状態です。

管理職になることで得られる何か —
それは例えば、より多くの金銭的な報酬、何かしらのタイトルやポジション、
それに紐づく新しい仕事、次なる成長、周囲からの承認、広がる裁量の幅や権限など。

では一方で、管理職になることで失う何か —
それは例えば、管理職=長時間業務の前提に立てば「プライベートの時間」でしょうし、
現場の実務的な仕事が好きな人にとっては管理的な仕事中心になることは「好きな仕事」を失うことに。
責任の少ない仕事の「安心や気楽さ」というのもあるかもしれませんし、
どうしても管理職は男性が多い=男性コミュニティ中心、且つ、立ち位置が変わると
女性同士の関係性が変化することを踏まえると「女性コミュニティ」というのもあるかもしれません。

個々人によって魅力を感じる対象や、その重み付けには差があるとは思いますが、
例えばこういったそれぞれの魅力を天秤にかけて、管理職になることで得られる何かの魅力の方が大きいとなれば、
OK!=意欲が湧くはずです。
(ちなみに裏返せば、管理職になることで得られる何かの魅力が勝った状態になるように、
女性管理職候補者のニーズにあわせて人事制度や各種仕組みを見直して行くことが必要ということです。
多分、男性とはニーズが異なるはずです。)

では、得られる何かが十分魅力的な状態になったとして、解決する問題かというと、
実はそれほどシンプルでもありません。

管理職に求められる役割や職務を遂行できなければ、その「何か」は得られない訳なので、
「出来そう」という感覚、自信をある程度を持てる状態にあることが、次に大事です。

では、その「出来そう」という感覚はどうしたら生まれるのか?

一つは、リアリティあるロールモデルの存在です。“リアリティある”というのは、
自分からあまりにもかけ離れた“すごい人”ではないことを指しています。
遠すぎるロールモデルは、逆に「私には、無理!」と萎えさせてしまいます。

もう一つは、リーダー経験です。「やったことないし、出来るか分からないし、不安。」は
ごく普通の感情です。
部内のプロジェクトのリーダーでも良いと思います。
意図的にリーダーの役割を与えて経験をしてもらうことは、「出来そう」という感覚につながって行くでしょう。

「ロマンチックなものは大好きだけど、その実人生においてはきちんと冷静で現実的な視点を忘れることが
無い女性。子供のようなワクワクを人生に求めてしまうのが男性。」と言われます。
そんな、リアリストで慎重な傾向が強い女性が対象の場合には、より丁寧に、意図的に、
「出来そう」という自信につながるサポートをすることは効果的かもしれません。

「女性本人の意欲の問題」と括ってしまえばそれまでですが、一段掘り下げることで、
解決の糸口が見えてくると思いませんか?“本人が嫌なら仕方ない”ことは、無いのです。

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