コラム

無くそうとしても、無くならない、それがアンコンシャスバイアス(後編)

2024.2.28

女性活躍推進が進まない、、、 その犯人に挙げられる「アンコンシャスバイアス=無意識の偏見」は、気づきたくても気づけない、無くしたくても無くならない存在。
ソリューションとしてよく導入されるアンコンシャスバイアス研修によってその存在や概念について理解できても、日常に戻れば自分の「無意識」が「無意識」にコントロールしてくる。(前編はこちら

後編では、その前提に立って、何ができるのか、どのように対応していけば良いのかを考えたいと思います。

 

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アンコンシャスバイアスが女性活躍推進を邪魔するシチュエーションと言えば、ジョブアサインではないでしょうか。
この仕事を誰に任せようか?という判断が求められる場面です。

上司が自身の思い込み(女性はXXXな傾向がある など)に気づかないまま、
「ストレスかかる案件だし、感情に左右されがちな(?!)女性には難しいだろうから…」
「リーダーシップ求められるし、管理職になりたがらない(?!)女性ではなく…」
と、結果、女性には“女性っぽい”仕事が渡されていく(女性っぽい仕事 というのも思い込み and 時代錯誤です)。
管理職への登用においても同様です。

 

ではどうしたら?

 

前述の通り、「本人が自ら無意識の偏見に気づくのは難しい」ので、仕組みの力で取り扱っていく必要があります。


1、組織づくりのポリシーを言語化する

ジョブアサインの判断を上長の属人的なものとしないために、チームとしての判断基準を作る。組織のビジョンから落とし込んで言語化する。
目的・目標を達成するために、どんな組織でありたいのか、どんな人材の集団で、どんな人が活躍するチームでありたいのか。

これによって、上司が判断に迷う機会が増えることがまずは重要な一歩です。ポリシーに立って判断しようとした時に、無意識の思い込みとの間に葛藤が発生しているということなので。

 

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    「バイアスでするっと意思決定」からの卒業 第一歩

 

 

2、ポリシーに沿った仕組みを作る


言語化したポリシーを、ジョブアサインの仕組みや管理職候補の選定ルールなどに落とし込む。

ポリシーの内容や組織風土との相性にもよりますが、手挙げ制(この仕事やりたい人―?と問う)、他者推薦制度(職場の同僚がお互いに推薦し合う)など、多様な声や観点を取り入れてみる。上司の思考の枠組み外の情報を取り入れる。

ちなみに、賛否も好みもあると思いますが、数値的な縛りを入れる仕組みもアンコンシャスバイアスに対峙する仕組みの一つとしてはアリなのだと思います。
管理職昇格候補者に必ず女性を入れる、昇格者の●%は女性にする。
男性への逆差別だ、女性本人の意思がおざなりになっている… という声も聞こえてきますが、アンコンシャスバイアスに囚われた視界を広げる力が一定働くことは期待できると言えます。

 

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3、バイアスを調整する対話の機会をもつ

 

迷ったり、違和感を感じたならば、自身のバイアスに気付き、バイアスを調整するために、対話が効果的。

プロのコーチングを受けると、自身を客観視して視界を広げたり、自己理解を深めて物事の見方の傾向を自覚することができます。そのように、例えば、社内のメンターとバイアスを調整するための対話をするのも良いでしょう。

そして、本人の話をフラットに聞く対話の機会を持つ。
「管理職になりたくないんだろうな」
「仕事より家庭や子育てを大事にしたいんだろうな」
「歴代、男性が担ってきたような仕事だからな」
そんな自分の思い込みを手放して(一旦、横に置いて)、相手は自分とも誰とも異なる個人であるという前提で、好奇心を持って話を聞いてみる。
――― これ↑、かなり難しいです。プロのコーチが実践していることに近いです。なので、すぐにできるようにはなりませんし、なかなかうまくいきませんが、意識して向き合うことで近づいていきます。(bouquetは、1on1トレーニングで、この本質的な傾聴力を鍛える研修を提供しています)

 

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対話の基本スタンス

アンコンシャスバイアスは厄介です。無理に無くそうとするのではなく、存在を知り、組織と個人が向き合う努力を重ねていくことが大切です。

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