bouquetは、企業の方とお話しする際には、両立支援を追求する時代は終わり、これからは戦力化支援を追求する時代とお話ししています。
世の中を見渡せばライフイベントで退職する女性社員はほぼいなくなり、育児しながら就業継続するケースがほとんどです。企業のサポート体制も社会のサポート体制も整いつつあります。
とはいえ、両立ママが大変なのは今も昔も変わらず同じ。
今回は両立ママを力づける(両立ママが自分を力づける)アプローチの視点をお話しします。
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各社、サポートは充実していますが、力づけることはなかなかできていません。
ここでいうサポートとは、休暇の付与、補助金の支払いなどです。
力づけるとは、内発的動機に働きかけ、前を向ける状態をつくることです。
ちなみに、必ずしも会社だけがやることではなく、女性本人にもこの視点を持って自身を力づけてほしいと思います。
その視点は3つの関係性です。
● まずは会社との関係性。
人事制度は会社・経営からのメッセージともいえます。自社はどんな・どれくらいの・どのような成果創出を期待しているのか。時短勤務が多い両立ママに対してどんなメッセージを発しているのか。時短制度だけではなく、人事制度を確認し、何を求めているのかを整理する必要があります。
ここで一つ注意点として添えておきたいのは、普段発されているメッセージと、人事制度が整合していないケースがあるということです。その場合、「聞いていること」と「実態」にギャップが生じて、力づけるどころかマイナスに働きますので注意が必要です。
● 次に、職場での関係性。主に上司との関係です。
ここがうまく力づけできるかのカギを握ります。上司は復帰ママとどんな風にコミュニケーションをとり、どんな仕事をアサインしているでしょうか。
・優しさがゆえに遠慮し過ぎて両立ママの力を生かしきれない…。
・職場内の雰囲気が悪くなるのを恐れて、フラットに接し過ぎ無理をさせてしまっている…。
女性活躍推進では上司が肝です。ちょうどいい関係を築けるよう、両立ママと相互に情報共有を密にしていきましょう。
● 3つ目は、自分自身との関係性。
言葉として違和感があるかもしれませんが、復帰後には本来の自分の可能性が見えにくくなってしまいがちです。この機会に(少し落ち着いてから)自分のことを棚卸して、少し中長期のキャリアを考えてみることをお勧めします。
会社がキャリアワークショップなどの機会として設けることもあれば、上司との1on1で実施されているケースもあります。もしそのような機会が得られない場合は、自分自身で時間をつくり、棚卸をしてみましょう。
● そして最後に、プラスワンの関係性があります。
それは家庭内の関係性です。どんな状況かは千差万別ではありますが、夫、子供、親…など、改めての関係構築が必要となります。ママが先に復帰し、パパが育児休業を全うするケースも増えています。
会社として、また上司として、この関係性に関与することは難しい部分ではありますが、知っておくことは大切ではないでしょうか。
これをbouquetでは以下のように「3+1grips」としてまとめています。
関係性を“握り直す”意味でgripという言葉を使いました。
両立ママのキャリア支援の視点として、ぜひ覚えておいてください。