2016.6.29
先日、企業の女性活躍を推進する役割の方々にセミナーを実施しました。
大きなテーマは、「ワーキングマザーのエンパワメントと戦力化」。実現するための、「制度・仕組みの設計運用」「意欲向上・風土形成」のアプローチのうち、前者の考え方や取組み事例をお伝えしました。今日はそのサマリーを。
例えば良く問題を引き起こしているのは、有名企業の画期的かつ斬新さのある事例や、同業界の交流会で仕入れた他社事例をそのまま自社に取り入れてしまったパターンでしょう。
セミナーの場でも、事例紹介を受けて「それをうちの会社に入れるとしたら。。。」と思考してしまう様子が見られました。
仕入れてはだめなのです。学びのポイントは制度の中身ではなく、”その制度が醸し出すメッセージと作りたい状態のマッチ度合い”です。その連関性に敏感になる必要があるのです。
時短勤務制度や産育休周辺のサブシステムは、自社の目指す状態や方針・戦略に一貫していなければいけません。自社の女性活躍推進における方針や方向性とリンクしている必要があります。そもそも女性活躍推進における目指す状態がない、という話もその場で少なからず出ていましたが、どうなりたいか?を考えずして制度や仕組みを入れてはいけません。確実にアンマッチ状態を引き起こします。つまり最初にやるべきは、【ゴールセッティング】です。
(ちなみに、サブシステム以前に、そもそもの人事制度のコアシステムが、自社の方針戦略・人事ポリシーと一貫性の欠く状態になっている…も、良く聞く課題ですが。)
一方、女性に話を聞けば「会社に悪気はないんでしょうけど、使いにくい制度で…」「ちょっとずれていて…」という声も多く聞きます。上司の問題?と思いきや、制度や仕組みが上司の視界や思想、部下とのコミュニケーションに影響することを鑑みれば、一概に「人」のせいにはできません。
うまい運用を実現するためには、制度や仕組みを作る段階での当事者の巻き込みを頑張ること。マネジメントと女性たちの声を聞きながら作ることが有効でしょう。そう、【ニーズマッチング】です。
女性活躍推進は、両立支援から戦力化へとフェーズが移行しています。今、まさに、ゼロベースで見直すべきタイミングではないでしょうか?