2016.2.17
今回は、女性活躍推進の中でも、研修やe-learingなどの学び系にひそむ落とし穴について考えてみたいと思います。
女性活躍推進の中でも学び系は、届けたい内容を届けたい相手にダイレクトに届けられる、というメリットがあります。
例えば、一般的にどのような研修が行われているでしょうか?
・女性管理職候補者向け リーダーシップ研修
・産育休復帰者向け 両立支援研修
・女性管理職向け 管理職研修
・若手女性社員向け キャリア開発研修
・女性社員の上司向け研修
・・・とりあえず、本部サイドで施策を考える立場からは、効果も出そうで、着手しやすく、周囲にも「やってる感」が出そうです。実際にお話が多いのもこの分野ですし、弊社でも提供しています。
さて、ここで二つの落とし穴があります。
一つ目は発注側の意図目的です。
この状況下では施策として何らか取り組むことが必要ですが、そのために「お買い物」感覚で発注してしまっていませんか?
「女性活躍に効くの、一つください」
ここに対して、「これは大体のことに効くはずです」と既にパッケージ化された研修を渡す提供者は数多くいます。
何となく有名だから、みんなが使ってるから、というイメージで導入を決めると、参加者から思わぬアレルギーが起こる可能性があります。
発注側は、自社の罹りやすい症状を認識して言語化し、目指す改善状態を掲げ、研修内容との丁寧なアジャストをしなければなりません。
二つ目はそのアプローチです。
例えば。
「女性は迷っているもの」
「何らかのロールモデルを求めているもの」
こんな前提から設計されたプログラムと、その前提を礎にする講師により、場全体が「迷ってる感じ」になっていくことがあります。迷っていなかったはずの人は迷い始め、迷っていない方は違和感を感じ、迷っていた方は安心する、状況に陥ります。
研修、という名の元であたかも正解があるように聞こえていまいがちですが、女性活躍に正解はありません。
参加対象層のメンタルモデルを踏まえ、参加者の選出を慎重に行いながら、正解のないことを共に探っていくアプローチが不可欠です。
手っ取り早そうな研修等の学び系。導入の際にはかなりの準備が必要です。