2016.2.3
女性活躍推進法が成立したこともあり、企業としても女性活躍推進に手をつけなければと、慌てて自社で女性活躍に向けた取組みをスタートした企業も多いと思います。先日、そのような流れで自社の取組みをスタートしたものの、目に見えた効果が直ぐにあらわれず、次の一手をどうすれば良いかを悩んでいる人事担当の方とお話する機会がありました。
もし、従業員の意識変化を促すことをゴールとしているのであれば、そもそも1回取組んだだけで効果がでるような特性のものではありません。打ち上げ花火的なイベントやプロジェクトだけでなく、その後の継続施策等の定着プロセスを描いておくことが非常に大切です。そして、この活動は、どちらかというと諦めずに継続し続けるという地道な努力が必要なのです。
では、定着プロセスを描く上で大切なことは何でしょうか?
1つ目は、プロジェクト自体が単発で終わらないように継続することを前提で描くこと。女性リーダー育成プロジェクトであれば、第1期で終わらせることなく、第2期、第3期と継続してみること。そして、第1期でうまれた変化を第2期のプロジェクトにも引き継げるような仕組みを入れること。例えば、第1期のプロジェクトメンバーが第2期のプロジェクトにも関わるような仕組みを作って、強制的に関わらせる等、次に繋げていくことを忘れずに。
2つ目に大切なことは関係者を巻き込むこと。組織の中にムーブメントを起こすためには、女性だけにアプローチをかけるのではなく、その関係者をいかに巻き込めるか、が肝になります。経営者、上長、女性本人、そしてその方の上司や同僚。その方々の理解や意識変革なくして、組織風土の変革はありえません。
そして、3つ目はプロジェクトの推進者が諦めずに情熱を持ち続けること、です。そもそも、周りの方を巻き込むために必要不可欠なものが、推進者の情熱です。もしかしたら経営者からの鶴の一声でプロジェクトがスタートするかもしれません。でも、それをきちんと自分ごと化して、情熱を持って継続できるかどうかが、プロジェクトの成否を決めます。
プロジェクトを推進する中で、参加者や周囲の人達からの様々な反応に、「本当にこれで良かったのだろうか?」という不安に苛まれる時もあるでしょう。そんな中でも、ゴールをしっかり見据えてやり抜くこと、そして、その情熱を絶やすことなく、組織に根付かせていくことを諦めずにやっていって欲しいと思うのです。