コラム

働く母、資格獲得に挑戦する(前編)

2015.10.14

リエゾンナース — 正式名称は、精神看護専門看護師。
精神看護領域にスペシャリティを持つこの資格の保有者は、日本国内にまだ200人しかいません。
今回のワーママ×○○は、神奈川県内の総合病院でリエゾンナースとして活躍する横山亜矢さん。
看護師をしながら、子育てをしながら、自身の想いを実現する為に「リエゾンナース」の資格に挑戦した日々、
そして、資格を手に更なる新しい挑戦を続ける日々について、お話しいただきました。

Q.亜矢さんご本人のことを伺う前に、まずはリエゾンナースについて教えていただけますか?

お医者さんに、内科、外科、小児科などの専門領域の区分があるように、
看護師の世界にも、専門性を持った看護師がいるんです。リエゾンナース(精神看護専門看護師)というのは、
その名の通り精神科関連のスペシャリティを持った看護師です。
役割を分かりやすく説明すると、病気や怪我で病院にいらっしゃっている方の精神的ケアを担います。
ご本人だけでなく、ご家族の精神的ケアも含めて。他の診療科の依頼を受け、
他の診療科と連携して、病院内を縦横無尽に動き回っています。
ちなみに、資格獲得には指定された大学院の卒業と3年の専門領域の実務経験が必要です。

Q.もともとは、看護師としてキャリアをスタートされたんですよね?

はい。慈恵医大の看護学科を卒業して、そのまま慈恵医大で看護師としてのキャリアをスタートしました。
奨学金をもらっていたこともあったので、とにかくちゃんと返済できるように頑張ろう!って、
目の前の仕事にとにかく一生懸命向き合って3年くらい経過したころ、
キャリアにおける一つ目の転機が訪れました。それが、看護師の仕事を続けながら大学院への進学です。
ちなみに、このときはリエゾンナースの資格を取りにではありません。

働く母、資格獲得に挑戦する(前編)

Q.では、何を学びに?

東洋英和女学院大学の人間科学研究科、死生学専攻です。
看護師の仕事にも慣れてきた時期に、自分の幅の狭さに悩み始めていました。
大学で学んだのも看護。やってることも看護。で、ちょっと悶々としていた頃ですね、
終末期の患者さんの部屋に入るのが怖い自分に気がついたのは。
「亡くなってたらどうしよう。」
「同じ人間なのに、患者さんなのに、怖いなんて、どうしよう。」って。
漠然と不安に感じていた自身の未熟さに直面することになり、随分悩みました。
そんな時、職場の先輩が死生学を学んでいるという話を聞き、調べてみたら学校の場所は六本木だし、
授業の構成的にも仕事辞めずに通えそう!と。
そこからの2年間は、これまでの人生の中でトップ3の大変な時期に入ります。
本当に、すごく大変だった。夜勤明けからの、修士論文 とか 苦笑。

ちなみに、この大変な時期に主人と出会っています。彼は彼で研修医時代なので、本当に忙しい毎日で。
お互いに志に向かって突っ走っている同志のような感じでした。
この時代の経験がお互いの価値観の共有につながって、
後々子育てしながらリエゾンナースに挑戦する私への、応援・支援という形に実ったのかも・・・?!

Q.そこからリエゾンナースへの挑戦へはどのようにつながって行くのでしょう?

無事大学院は卒業しましたが「で、何がしたい?」は、明確になっていませんでした。
この先の看護師としてのキャリア − 管理職(看護師長)を目指すのか、専門職(専門領域を持った看護師)か
これまで通りのいわゆる一般的な看護師の仕事を重ねて行くのか?何となく専門職の方向に と思いつつ、
専門分野が見えていませんでした。

そして、また転機が訪れまして。。。2つ目の、ですね。
無菌室に勤務していた時に、小児科の移植の患者さんを受け入れたんですが、
お母さまが相当な精神的ダメージを受けていて。いわゆるメンタルに支障をきたしている状況です。
私に何かできることはないか?と、自問します。
でも、答えも出ない、何も提供できない。この経験は、私にとって相当なインパクトを残しました。
そして、満を持してリエゾンナースという存在を知ります。とある文献を通じて。

中編に続く…

 

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