コラム

時短社員との目標設定

2016.3.9

出産育児で時短勤務を選んだメンバーに対して、どれ位の成果を求めていけば良いのでしょうか?
評価者研修で受ける質問です。

出産育児が本人に与えるインパクトは、個別に異なります。本人でなければわかりませんし、子供の体力、周囲のサポート環境などの変数も影響するので、本人でもなかなか「この位です」と言い切れないものです。
戻るからには仕事を頑張りたい、けど結果的に穴をあける可能性がゼロではない、、、なので「バリバリやります!お任せください!」と言うのには躊躇ある本人。その様子に「あまり要望できないかな」「責任の重い仕事は任せられないかな」「あまり期待しすぎずにいこう」とよぎる上司。更には「ぶら下がり」と呼ばれる現象も指摘されるように、時短だから、育児中だからと、会社に対して過度な権利主張を繰り返すような時短勤務社員も一定数存在するので、上司は余計悩ましい。

といった背景を踏まえつつ、
冒頭の質問への回答は「短縮時間分を割り引いた成果をしっかり要望する」です。

例えば、これまで実働8時間+平均2時間の残業で10の成果を出していた人がいるとします。この方が、実働6時間(残業なし)に変更したなら、今後求めて行く成果はこれまでの約6割。それを、明快に要望する。その先は、その基準値を元にした個別の調整です。
すると、仕事内容的に、職場体制的に、そうデジタルに切り出せない、成果を割り引けないと言う声も上がりますが、「分かります。でも、それをマネージするのがマネジメントの仕事ではないでしょうか?」とお伝えします。
時短勤務を選択して働き続ける女性は増えています、今後も増えて行きます。介護での時短勤務者も増えます。であれば、このテーマに向き合い、それぞれがコツをつかんで行くことが組織マネジメント上必要であり、有効でしょう。

もう1つ、併せてお伝えしていることがあります。
「成長への期待も伝えつづける」です。
例えば、これまで1年に10成長していた人が、時短になったことで急に1とか0の成長になったりはしません。なので、これまでの6割程度の成果を求める となったとしても、5〜6の成長もあわせて期待したいところです。結果、自部署も進化・成長し続けることができます。本人にとっても、期待は良い効果をもたらします。以前もご紹介したピグマリオン効果です。
一方で、極端に大きな期待と高い要望をしてしまうと、「子育てしながら働くこと、何もわかってくれていない。」と、心が離れてしまうケースもありますので加減が必要ですが。

分かりきったことという印象かもしれませんが、わりとできていない現状はあります。区切りごとの面談の場を、再度見直してみてはいかがでしょうか。

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