コラム

期待を伝え続けること

2015.11.12

指導的地位に女性社員が占める割合が2020年で30%を目指す。
この国の動きに対して、企業が実際に女性活躍推進に対して積極的に動きはじめています。
一方で、ここ最近お会いした会社の第一線で活躍する女性から聞こえてきたのは、
「結局、会社側は女性に期待していないと思うんですよね。」と言う声。
具体的に話を聞いてみると、働き続けられる制度は整えられているものの、
配置や昇進にて微妙な差別を感じるとのことでした。

その事象を説明するのに「統計的差別」という理論があります。
侮蔑的な意図からではなく、過去の統計データに基づいた合理的判断から結果的に生じる差別のことです。
例えば、企業が就業継続リスクのある女性の育成に躊躇し、
早期段階から職務の付与や配置転換等で男性と差をつけてしまうことで、
女性に充分な技能形成が行われずに、結果として昇進などのチャンスが制約されてしまうことです。

本当に、企業側が女性管理職の増加を目指すのであれば、
過去のデータを基に判断するだけでなく、企業として、未来に向けて女性管理職を増やすことを決断すること。
女性に対して「管理職になることを期待している」と期待を伝え続けること。
形だけの男女均等処遇だけでなく、女性に対して無意識のうちの余計な配慮をせずに、
初任配属、配置転換、付与される職務、上司の対応も含めて、男性と同じものを提供すること。

ある企業では「女性を先に登用します」と社長が宣言しました。
トップのダイレクトな言葉は、女性に会社の本気度合いを伝えることができます。
また、ある企業では男女の若手リーダーの希望者で社内横断組織をつくり、
女性が働きやすい職場環境を目指す活動をしています。
具体的には女性のキャリア情報共有プラットフォームと女性1人1人の声を活かす環境づくりが主な活動内容です。
取組み自体が期待を伝えていますし、実際に男女平等にリーダーシップを発揮する機会を提供しています。
このように様々なやり方で期待を伝え続けることが、世の中に対して、会社に対して、
微妙に諦めてしまっている女性の心を開かせ会社の中で活躍し続ける覚悟をつくっていくのだと思います。

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