コラム

ロールモデルは逆効果

2015.7.6

「ロールモデルがいないから、自社の女性活躍は難航している」
「外部の方をロールモデルとしてお招きし、セミナーを開催している」
「自社の女性活躍施策は、女性社員をロールモデルとして育てていくこと」

企業への調査でも、ロールモデル開発は、女性活躍・両立支援の取組み策の一つとなっています。
これは、本当に効果があるのでしょうか?

一方で、働く母や女性社員へのインタビューを通じ、実際に聞いた声を書いてしまいます。

「会社の用意した研修講師、この人がロールモデルだ、って言われても、異次元の人過ぎて共感ゼロ」
まだ雇用機会均等法以前に世界を股にかけてご活躍された女性が「わたしの頃は」を引き合いに出した
講義を聞いた、女性リーダー育成をされている企業の部長候補の女性から。

「そもそもロールモデルって言われてる人って、親と同居されてたり、子供がいなかったり、環境が全然違うから」
数少ない上位職に就く女性と日常的に比較され「あの人はここまでやってるぞ」と
プレッシャーをかけられている管理職の女性から。

「ステキだな、かっこいいなと思いますが、私には無理です。
あんなにすごくない。やっぱりうちの会社じゃないのかな」

比較的女性比率の高い企業でベテラン層が楽しく働いている姿を見て、引き気味になっているその次の世代から。

ロールモデルを会社が「この人です」と掲げるのは全く無意味だと言いたい。
「尊敬する人は誰ですか?」「ああなりたいと願う人は誰ですか?」
という質問は男女問わず、自分のこれまでの生き様や価値観が反映されたとても大切な問いなのです。
ところがなぜか、この女性活躍の話になると会社はロールモデルを『用意したがる』。
女性たちに「わたしはああはなれません、なぜならば…」の反論の機会を提供しているようなものだと思うのです。

このロールモデルに関しては

①キャリアプランの選択肢という呼び名でいくつか用意する
②自分の中に自分モデルをつくり上げる支援をする
(その延長上にその方が自分でロックオンした方がいれば、それでよいことです。)

と、分解して丁寧に取り扱うことが必要だと考えます。
結局、内発的に動機づけられなければ、人間は動かないわけです。

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